書きたくなったら書く

青が溶けた時

「溶ける」

最近好きな表現だ。

「言葉に溶ける」や「溶けるように眠る」 可愛い表現だと思う。とても好き。

そんなことを考えながら歩く。 突然の女性の叫び声に振り返ると噴水から女性が起き上がるのが見えた。2度見した。 まさか人生で噴水に落ちる人を見れるだなんて。

友人に肩を借り、ポタポタと水を垂らしながら立ち上がる女性はあまり恥ずかしそうにもしていなかった。

なんか、普段見れないもの見たなと。得も損もしなかったけれど、まあ良いもの見たのかもと歪んだ性格の私はこの足で海へ向かった。

着いた先は青かった。とても青く綺麗だった。

青が溶けたような海が私の前に広がっていた。

最期の場所を選べるのであれば、海が見えるところがいいと考えたことがある。

いまは思う。死ぬなら海じゃなくていい。

こんなものが目の前にあれば幸せを諦める事が難しいだろうな

私の場合、綺麗なものを知る度幸せになりたいと感じている気がする。それが花や音や人であっても同じで。

私が綺麗だと感じるもの全てに価値があるので

次はどんな綺麗なものを見に行こう。

23歳になり1ヶ月近く経った今感じる。 もう私はひとりでどこへでも行けるのだと

大人になるとは行きたい場所へ行ける事。

今日はもう溶けるように眠る。 金曜を乗り切るために