書きたくなったら書く

都会の冬の匂い。

「都会では冬の匂いも正しくもない」

半年ぶりに東京へ来た。

以前、東京へ来たのは5月だったので今回は半年ぶりの東京だ。11月の東京はすっかり冬を帯びて、しっかりと冷たくなっていた。 そんな冬の東京で聴く音楽は出発前から既に決めており、私は椎名林檎の「正しい街」をこの2日間ずっとイヤホンから流して過ごした。

聴きながら、確かに都会では私の知っている冬の匂いはなくて納得した。同時に私の五感がいま東京に集中していることも実感していた。

信号待ち、空を見上げたら全然星が見えなくて。月は高い建物で隠されてるし。そんな事考えながら正面を向けば信号が青に変わっていて。 沢山の人がすれ違う狭間から射し込む遠くの街の光は流石都会だな。と感じました。

星は見えないし、月は隠されてるし、人は多過ぎるし。

東京って、一人になれる場所が無さそうなくらい騒がしいのに、気づいたら独りだし、めちゃくちゃ寂しくなりそうな街だなあって考えながらフラフラしてました。

でもだからこそ出会いは多そうだなと。 出会いというか求める物が増えそうで、そんな感情を持って求め合う人達が多そう。

いま私が東京に住んだら、もっと違う考え方が生まれて、今とは違うものを求めて、もっと素直に真っ直ぐに生きれる気がする。気がするだけだけど。多分そうなると思う。

星も月も見えなくて、毎日沢山の人とすれ違う街は、私が今住んでいる街よりも人間が居るべき場所として上手く作られているんだろうね。又は人間が自ら自分の居場所を作り上げた様な。凄い所。

遠くの、何も無いところで生活していても求める物がゼロでは無いのだけれど。寧ろ、だからこそ目的が出来て、今回の私も東京に行っていて。

誰かがどこかへ行く時って、どんな事にも目的が付いてきていて、目的なくどこかへ向かっているつもりでも、それは物理的な目的以外のものが付いてきていて。人はいつも、それに追われていて、救われているのかもしれない。だから明日からも頑張るしかないんだね。

どこにいる人もみんな頑張っていて凄いなって。

都会には都会の冬の匂いもあったね。

いつか都会で生まれ育った人に、私の地元で冬の匂い見つけてもらいたいと考える冬です。

札幌に着陸しました。

私の知ってる冬の匂いがするよ